エネルギー何枚入れますか?【前編】

 アローラ!

 くりお宅ポケカナビ、ナビゲーターのくまボロスです。最近はカイロスと呼ばれることの方が多いですね。ちなみに好きなむしポケモンはヘラクロスです。

 

 最初に。

 当コラムは初心者向け(特に「初心者を脱却したい!」という方向け)のデッキビルド補助を目的としたコラムです。他のカードゲームをやったことがある人も、まったくカードゲームをやったことない人も、ぜひ読んでいってください。

 もちろん、ポケカのベテランも。新しい発見があるかもしれませんよ?

 

 そもそもなぜこのコラムを始めようかと思ったのか。

 発端は、最近、遊戯王やってたころの知り合いが何人かポケカを始めたことです。

 私もユーザーが増えるのは嬉しい限りなので、

「なにから始めればいい?」

 と聞かれたら、

「好きなポケモンで始めればいいよ」

 と答えるわけです。

 ポケカやってるやつだいたいコレ答えるよね。

 ですが、そうじゃなかったんですね。

 彼らが欲しがっている情報はその先にある意識で、

「好きなポケモンのカードはとりあえず買ったけど、どうやってデッキ組めばいいの?」

「いままでいくつかカードゲームやってきたけど、ポケカのデッキの定石がよくわからない」

 確かに。ポケカって、わかりやすいデザイナーズデッキがほとんどないので、「同じカテゴリ」のカードをかき集めれば、ひとまずデッキになる……というわけではないんです。

 初心者おすすめの「赤単速攻」もなければ、アニメでおなじみの「主人公デッキ」もない、と。なんて始めにくいゲームなんだ。

 そのため、私はいろいろな質問を受けたのですが、その中でも多いのが、

 

・ポケモンをデッキに採用する基準ってある?

・デッキにサポートはなにを何枚入れればいいの?

・デッキにエネルギーは何枚入れればいいの?

 

 この3テーマ。

 当コラムは、前中後編に分けて、この3テーマをお伝えします。

 

 初回はまずこちら。

 

「エネルギー何枚積みますか?」

 

 え、順番的にポケモンからじゃないの?

 なんて反応がありそうですが、私はまずエネルギーから説明させていただきます。

 初心者が陥りがちなデッキビルドのミスとして多いのが、「強いカードいっぱい入れて、余った枠をエネルギーにすればいいや」→「枠余らなかったわ……」という悲しい事態。

 エネルギーなしで戦う一部のデッキを除いて、エネルギーはデッキの核をなすカードと言っても過言ではありません。

 ポケモンカードゲームは「サイドをすべてとって勝利する」ゲームです。ライブラリアウト(相手の山札をゼロにして勝利すること)や、超爆インパクトで登場したアンノーンでの特殊勝利などの例外もありますが、基本的には「サイドをとる」ことが勝利への道です。

 そして、「サイドをとる」ためには、相手のポケモンをきぜつさせる必要があります。

 では、相手のポケモンをきぜつさせるためには?

 ダメージを与える必要があり、ダメージを与えるためには、たいていの場合ワザを使うことになるでしょう。

 そして、ワザを使うためにはエネルギーが必要です。

 「ワザで戦う」デッキにおいては、エネルギーこそが核。

 知り合いのひとりは、「ポケカはエネルギーにポケモンをつけて戦うゲーム」とまで評していました。そしてそれはおおむね正しい。

 

 前置きが長くなりましたが、じゃあエネルギーは結局何枚入れればいいのか。その答えはコレです。

 

「デッキによる」

 

 ブラウザバックを押す前にもう少しだけ読んでいってください。お願いします。

 

 この台詞も多くの歴戦のポケカプレイヤーが言ってきた言葉かと思います。僕もわるやどとかいうやつに何回も言われました。

 彼らベテランプレイヤーの多くは、経験からエネルギーの枚数を「なんとなくこれくらい」で決められるセンス的なものを身につけているため、聞いてもそんな感じのふわっとしたことしか言ってくれません。

 僕は凡人ですが、PCG歴だけはそれなりに長いので、その「センス」をこれからがんばって言語化、もとい翻訳していきます。

 

 では、まず最初に、わかりやすくするために例を挙げましょう。

 

 

 こちら、現在大流行中かつ、ポケカの中では珍しい「同じワザ名のカードを集めればとりあえず組めるデザイナーズデッキ」です。もちろん、ただかき集めただけでは強いデッキにはなりませんが。

 こちらのデッキのエネルギーは枚数が非常に少なく、多くの場合ダブル無色エネルギーが3〜4枚、基本草エネルギーが4〜5枚程度に収まるのではないでしょうか。

 

 

 ではこちらは?

 基本闘エネルギーだけで9枚、ユニットエネルギーが3枚、ビーストエネルギー1枚の合計13枚。ロストマーチよりも多いです。デッキの約5枚に1枚がエネルギーというリスト。

 

 少ないデッキと多いデッキ、まるで違うように見えますが、実は採用枚数を決定する考え方の根幹は、意外とシンプルで似通ったものなのです。

 

「どのポケモンが戦うか?」

「どのワザで戦うか?」

「何回そのワザを使うか?」

 

 この3点を念頭に置いて、先述の2つのデッキタイプを見比べてみましょう。

 

 ロストマーチデッキの使うワザは当然「ロストマーチ」で、戦うポケモンはワタッコあるいはネイティです。

 基本草エネルギー1枚、あるいはダブル無色エネルギー1枚を使うことになります。

 ワザを使う回数=サイドを6枚取り切るための回数です。ロストマーチはGXポケモンのようなHPの高いポケモンでも一撃で倒せる火力の高さが売り。そう考えると、少なくともGXポケモンを3体倒すか、多くとも非GXポケモンを6体倒すかであると仮定できます。

 なので、ロストマーチの理想である「すべての相手を一撃で倒す」を実現できた場合、ワザを使う回数は3〜6回になります。

 エネルギーが1枚必要なワザを、理想的な試合運びをしたとしても、最大6回使わなければならない。また、ワザを使うワタッコ、ネイティはHPが非常に少なく、相手ターンにきぜつさせられない、ということはほとんど考えられないでしょう。

 だから、エネルギーは「とりあえず6回はワザを使えるくらい」必要なので、基本草エネルギーとダブル無色エネルギー、あわせて6枚以上はいれないといけません。また、そんなに都合よくエネルギーを山札から引けるわけもないので、「デッキからの引きやすさ」も考慮すると、多めに入れることになるでしょう。

 

 マッシブーンルガルガンはジェットパンチからスタートしつつ、ナックルインパクトにつないでバトル場に合計190ダメージを与えたり、与えなかったりするデッキです。

 ディアンシーのプリンセスエールで+20ダメージを加え、180ダメージのナックルインパクトを放ったり、さらにこだわりハチマキを用いて210ダメージを放ったり。

 ジェットパンチによるベンチダメージを駆使して30+180ダメージで合計210ダメージを出したりと、マッチョな見た目に反して「ベンチのどのポケモンに30ダメージ乗せるか」という、割と繊細な判断が必要なデッキで、打点の自由度の高さが魅力のデッキです。

 また、ルガルガンも魅力的なワザ、デスローグGXを持っており、弱点がマッシブーンGXとは違うため、ツメできりさくこともままあるかもしれません。

 序盤の展開とグッズのサーチによる安定性上昇のために採用されているアローラキュウコンGXも、相手のウルトラビーストポケモンを一撃で気絶させられる強力なGXワザを持っており、ぜひともワザを使いたいポケモンです。

 よって、ワザを使うポケモンは、マッシブーンGX、ルガルガンGX、アローラキュウコンGXです。なんでもかんでも欲しがる欲張りさんかな。

 幸いにして、ユニットエネルギーによってフェアリーエネルギーと闘エネルギーは共存するので、この欲張りは解消されています。

 

 相手のGXポケモンを3体倒すためには、ジェットパンチを1〜2回、ナックルインパクトを3回は使うことになるでしょうか。

 もちろん、相手もただやられはしないはずなので、こちらのマッシブーンGXもきぜつさせられることになるでしょう。

 マッシブーンGXが3体きぜつさせられると、サイドを6枚取られて負けてしまいます。

 ということは、マッシブーンGX3体目が気絶する直前の攻撃ターンまでには、勝利を決める必要があります。

 つまり、マッシブーンGX3枚に、それぞれ3枚ずつエネルギーを付ける必要がでてきました。じゃあ9枚いれればいいのかな?

 いえいえ、そう都合よく数少ないエネルギーばかり引けないのがポケモンカードゲーム。多めにデッキに入れて、山札から引ける確率を増やさないといけません。

 可能な限り、テンポよく毎ターンエネルギーをポケモンに付けていきたいところ。つけられないターンはないほうがいい、となると量を増やすしかありませんが、問題はどれくらい増やすか。毎ターン、シロナやジャッジマンといった「デッキから6枚、あるいは4枚引くカード」を使用すると仮定すれば、デッキの約5枚に1枚がエネルギーという比率も納得がいくのではないでしょうか。

 まあそれだけじゃなくて、ビーストリングを連打するためにデッキ内にエネルギーを可能な限り残しておきたいから、基本闘エネルギーを多めに採用しているという理由もありますが(というかそれがかなり重要な理由だったりしますが)、手張りベースで考えても十分な量のエネルギーが採用されているわけです。

 

 なんとなく見えてきたような気がする?

 なんとなくわかってきた?

 そんな皆様。それが基本の一歩目です。

 

 なぜかって、これらはあくまで一例でしかないからです。

 「GXポケモンは二撃で、非GXポケモンは一撃で倒す」デッキや、「全体にダメージを与えるワザを何度も使う」デッキは、また違った枚数になるでしょう。

 さらに言えば、先述のビーストリングのようなデッキからエネルギーを追加するカードや、アクアパッチ、アーゴヨン、カラマネロといった「トラッシュからエネルギーを復活させるカード」の存在が、デッキのエネルギーの枚数を大きく変化させます。

 あくまで基本の考え方のひとつとして、「どのポケモンがどのワザを合計何回使うか」で考える方法もある、というだけです。

 そんな基本のひとつを抑えた上で、いろんなデッキリストを見てみれば、なんとなーく、前より理解が深まる……ような気がするだけで、当コラムも無意味に長く書いた意味があったかなと思います。

 

 あなたの好きなポケモンは、どのワザを何回使いますか?

 ひとまず、そこから考えてみませんか?

 

 当コラムが自分でデッキを組む楽しさの一助になれば幸いだったり。

 

 中編・どういうポケモン入れますか? に続く。

●ロスくま
実家が英会話教室。